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脳神経血管内治療科

診療内容

はじめに 

脳神経血管内治療科ではカテーテル治療によって、脳や脊髄の血管障害でお困りの方の生命を守り、生活の質を維持・向上するために、日々努力しています。脳神経外科との緊密な連携の下、病気に悩む方々の不安を取り除くことができる最も有効な治療をご提供したいと考えています。

脳外科領域の疾患に対する血管内治療について

頭蓋骨の中にある病気は、開頭手術が唯一の治療方法でした。身体中の動脈は心臓を中心にすべてつながっているため、どこかで動脈の中に進入すれば血管の中をたどって色々なところにたどりつくことができます。1980年代以降の技術革新により、カテーテルという直径1mm程度の細い管を使って頭蓋骨の中にある血管にも到達することができるようになりました。頭の中にある血管の病気は、カテーテルを使うことで頭を開けずに治療できるようになりました。
すべての病気をカテーテルで治療できるわけではありません。また、すべてのカテーテル治療の成績が開頭手術に勝るわけではありません。特定の脳外科疾患にたいする新しい治療選択肢として「血管内治療」という方法が定着したと考えてもらえばよいと思います。この治療選択肢がうまれたことで、開頭手術で治すことが困難であったいくつかの病気の治療成績が向上したのは事実です。実際の医療現場では、開頭による治療とカテーテルによる治療のどちらが安全に行えるか、患者さんの負担はどちらが少ないか、治療を行った後の長期成績はどちらが有効かなどを総合的に検討します。病気を治療するかしないか、治療する場合はどちらの治療を選択するか、最終的には患者さんが決めることになります。

外来を受診される方へ 

脳神経血管内治療外来は午前中のみの予約制となっています。予約なしでも診療を受けることはできますが、予約のある方が優先になります。初めて受診していただく方は、脳神経血管内治療科外来に、電話で予約を入れてください。
予約時間通りの診療をこころがけていますが、大変込み合うこともあり、予定より遅れることもございます。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

入院治療を受ける方へ

脳神経血管内治療科では検査入院・手術入院が必要とされる方にベッドを用意しています。必要な検査を外来もしくは検査入院で終了していれば、血管内治療は、1週間前後の予定入院期間となります。

メッセージ

脳神経血管内治療専門医をめざす脳神経外科医師・放射線科医師・神経内科医師・救急科医師を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。

取り扱う主な疾患

脳神経血管内治療科で取り扱う病気

1. 未破裂脳動脈瘤の血管内治療 ―未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術―

脳動脈瘤とは、頭蓋骨の中で脳の隙間を走る動脈にできた血管の壁のふくらみのことです。以前は脳動脈瘤が破裂してクモ膜下出血になるまで、頭の中にこの病気があることは分かりませんでした。CT や MRI に代表される放射線診断が進歩した現在、脳ドックの検査や頭部外傷・頭痛・めまい・耳鳴りなどの検査で、脳動脈瘤が破裂していない状態でみつかるようになりました。これを未破裂脳動脈瘤といいます。特別の場所にある大きなものを除いて、未破裂脳動脈瘤が頭の中にあるだけで症状を出すことはありません。一般的な未破裂脳動脈瘤が症状を出すのは、何かの拍子に動脈瘤の壁に穴が開いて(破裂して)クモ膜下出血になったときだけです。
残されている自分の人生の時間のなかで破裂する予定のない未破裂動脈瘤を治療する必要はありません。小さな動脈瘤の多くは破裂する危険性が低く、そのままの状態で一生付き合っていけるものです。とは言っても、万が一この動脈瘤が破裂した場合にはクモ膜下出血となり、即座に瀕死の状態になると聞かされれば、穏やかでない気持ちになるのは当然です。未破裂脳動脈瘤がみつかったばかりに、破裂に対する恐怖心から本来おくることができるはずだった有意義な時間を失ってしまう方もいます。
未破裂動脈瘤といっても、すべてが同じ破裂の危険性を持つものではありません。患者さんの年齢・持病やクモ膜下出血の家族歴の有無・生活習慣、動脈瘤の場所・大きさ・形・個数により破裂の危険性をある程度予想することができます。破裂の危険性が高いと判断すれば開頭による治療もしくは血管内治療、より安全で有効な方法をおすすめしています。



noukekkann1-20110415脳底動脈先端部の未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術
プラチナコイルが正常血管に飛び出さないように、動脈瘤の入り口で風船を一時的に膨らませています(中央の画像)。同じ目的で、頭蓋内ステントを留置することもあります。動脈瘤の形態にあわせて治療戦略をねります。


2. 頚動脈狭窄病変に対する血管内治療 ―頚動脈ステント拡張術―

治療の目的は脳梗塞の予防です。
高血圧・糖尿病・高コレステロール血症などの持病をお持ちの方では、血管の内側に時間をかけて徐々にゴミがたまって脳に向かう血液の流れを障害されることがあります。心臓に向かう血液の流れが足らなくなると心筋梗塞に、脳に向かう血液の流れが足らなくなると脳梗塞をおこします。我々が治療を行っているのは、くびの高さにある内頚動脈の狭窄です。この病気の治療は、抗血小板剤を内服する内科的治療、皮膚を切って到達した内頚動脈に切開を加えてゴミを取り除き血管を縫ってくる外科的治療と、カテーテルを使って狭くなった血管の内側に到達してステントと呼ばれる金属の網の筒で押し広げる血管内治療があります。これまでに症状をだしたことがあるかないか、どの程度の狭窄率か、全身状態や狭くなった血管がどのような状態か検討することにより、どの治療方法が脳梗塞の予防に一番有効であるのか評価することが可能です。



noukekkann2-20110415
フィルターで脳梗塞発症を予防する頚動脈ステント拡張術
頚動脈狭窄部でステントを拡張すると、血管を狭くしていた固まりが壊れて脳に向かって飛び、脳梗塞をつくってしまうことがあります。前もってフィルターを留置し、手技の最後にこれと一緒に回収し脳梗塞を予防します。動脈の中で風船をふくらませて一時的に血流を遮断する方法や、頭蓋内の血液を逆流させる方法もあります。同一部位を2回に分けて治療しなければならないこともあります。狭窄部の性状や脳血流の状態を評価して治療戦略をねります。
             

 3. 硬膜動静脈瘻に対する血管内治療

脳を取り囲む骨の内側には硬膜とよばれる硬い膜があります。硬膜自体が生きていくために、動脈から酸素や栄養を受け取って静脈にもどしています。頭部外傷・先行する静脈の感染や閉塞・先天的な血液を固まらせる能力の異常などが原因で、硬膜の動脈と静脈の間にある血の流れの抵抗がなくなってしまった状態が硬膜動静脈瘻の本質です。硬膜動静脈瘻ができて圧力の高い異常な流れができると、初期には心臓に向かって早い異常な血液の流れができます。この時期に自覚する症状は強弱のある耳鳴り程度です。脳や脊髄が静脈血を戻す場所は、硬膜が静脈血を戻す場所と同じです。病状がすすむと、本来なら脳や脊髄が使った血液を戻す血管であった、圧の低い静脈に向かって逆流を始めます。この血液が目に向かって静脈を逆流すれば目が赤くなったり、徐々に腫れ上がったり、ものが二重に見えたり、視力が弱くなっていきます。脳に向かって静脈を逆流すれば、脳の正常の血液の流れが障害されて認知症状やてんかん発作、脳出血をきたします。
重要なことは、この病気には自然治癒があるということです。耳鳴り程度の症状で脳の静脈に向かって血液が逆流していないもの、目に向かう静脈を血液が逆流していても症状が軽いものは、自然治癒に期待して一定期間症状を追いかけることもあります。一方で、急速な視力低下をきたした症例、脳出血を起こす危険性が高いと思われる症例などは積極的に治療を検討しなければなりません。この病気の治療は血管内治療を第一選択としています。

4. 脳腫瘍に対する血管内治療

脳腫瘍を血管内治療だけで治してしまうことはできません。将来そのような時代が来るのかもしれませんが、現在の血管内治療でできることは開頭手術で腫瘍を取り除く際の出血量を少なくする脳腫瘍栄養血管の塞栓術にかえられています。
脳腫瘍が頭の中で生きていくためには、腫瘍が自分に血液を引き込んでこの血液から酸素や栄養を受け取らなければなりません。ある種の脳腫瘍はたくさんの血管を引き込んでいるため、脳腫瘍を取り除く開頭手術のときにたくさんの出血を伴います。前もって、この血管をふさいで出血の量を減らすことができれば、手術の難易度を低くすることができます。腫瘍を栄養している血管にたどりつくための方法はここまでに説明してきた内容と同一です。異常な血管に特殊なプラスチックの粒や糊、プラチナコイルを詰めたり、アルコールを注入して出血しにくい状態をつくります。この操作で栄養を絶たれた一部の脳腫瘍は死んでしまいますが、残った腫瘍は再び血液を引き込むルートを作り、時間がたつとこのルートが発達してしまうため手術は比較的早期に行わなくてはなりません。正常の脳に血液を供給している血管と脳腫瘍に血液を供給している血管が同一である場合、手技により脳梗塞をきたしてしまうため、脳腫瘍の塞栓術を行うことはできません。
この血管内治療そのものにも合併症はありえます。「開頭手術単独の治療に伴う危険性」と、「術前の腫瘍塞栓術+塞栓術後の開頭手術の危険性」を天秤にかけて腫瘍塞栓術を行うかどうかを検討しています。

5. 脳動静脈奇形に対する血管内治療

当院における脳動静脈奇形に対する血管内治療は、血管内治療単独での根治率の低さと根治を目的とした血管内治療に伴う合併症率の高さから、脳腫瘍同様に開頭摘除手術前の補助的手段として施行しているだけです。開頭手術に伴う出血量の軽減、開頭手術中の流入動脈同定に対する効果には期待することができます。この血管内治療そのものにも合併症はありえます。「手術単独の治療に伴う危険性」と、「術前の脳動静脈奇形塞栓術+塞栓術後の開頭手術の危険性」を天秤にかけて塞栓術を行うかどうかを検討しています。

6. 救急車で来院する脳卒中急性期疾患に対する脳神経血管内治療

① 急性期脳梗塞に対する血管内治療

異常な動きをしている心臓から血の固まりが、脳に向かって飛んで太い動脈を閉塞したためにおきる脳梗塞を「心原性脳梗塞」といいます。血液がこなくなった脳は徐々に機能を停止していき、最終的にすべて脳梗塞になりその機能を失います。一度死んでしまった脳を生き返らせることは残念ながらできません。我々にできるのは、詰まった血のかたまりを溶かして血液の流れを再開すること、血の固まりを取り除いて血液の流れを再開することです。この治療は、脳がすべて死んでしまう前に行わなくては効果がありません。「溶かすための治療」は発症してから3時間以内、「取り除くための治療」は発症してから8時間以内に開始しなくては効果が期待できません。我々は限られた時間の中で、特殊な血管内治療機器(MERCIリトリバーといいます)を使い、頭蓋骨の中にある血管の中から血のかたまりを体の外に取り除く治療を行っています。

② クモ膜下出血に対する血管内治療

クモ膜下出血になり瀕死の状態で救急搬送されてくる方に対する治療も、脳神経外科と脳神経血管内治療科が協議して治療方法を検討しています。開頭クリッピング術、破裂脳動脈瘤コイル塞栓術。どちらの治療を選択すれば、最終的により良い予後を期待できるのかを重視して治療法を選択しています。
 

診療実績

脳神経血管内治療科は2011年4月1日に東京厚生年金病院(現JCHO東京新宿メディカルセンター)への最新治療用透視装置の導入をうけて診療を開始しました。
脳神経血管内治療を行う担当医師は、2002年~2003年 フランス パリ市 Fondation Ophtalmologique Adolphe de Rothschildにおける脳神経血管内治療臨床留学終了後、日本国内に於いて1000例以上治療を経験しています。

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